マクロビオティック | Macrobiotic

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日本の健康法の集大成

マクロビオティックとは、桜沢如一氏によって日本に古来からある食養や陰陽の考え方や知恵が体系化された生活法です。

横文字なのとアメリカのセレブの間で流行し、日本で逆輸入の形で流行したので、アメリカのダイエット法として認識されている方もいますが、日本から生まれたのがマクロビオティックです。

日本では一般的に「マクロビ」として、その食事法や玄米菜食・穀物菜食のみが知られています。マクロビオティックは石塚左玄氏の食養論や、おばあちゃんの知恵袋のような伝統療法や民間療法を体系化したお手当までも含んだ、日本が世界に誇れる健康法の集大成と言っても過言ではありません。

マクロビオティックは身土不二、一物全体、陰陽調和の3つの柱から成りたっています。

 

 

ナチュラルに生きる「身土不二」

身土不二(しんどふじ)とは、簡単に言えば土地の物、季節に合った物、旬の物を食べようという考え方。

地産地消やスローフードの考え方と共通する部分もありますが異なります。

住んでいる土地に近い食べ物、季節に合った食べ物を選ぶことが健康の秘訣の1つです。だからと言って、遠い地域の物や輸入食品がダメという訳ではありません。できるだけ、身土不二に沿った食材を選んでいきましょう。 ただし、311以降の日本においては、身土不二を越えた選び方をしていく必要があることも事実です。311以前よりも広い範囲の地域で捉えたり、同緯度地域の物を選ぶこともポイントの1つです。そして、その食材を選ぶポイントとして重要なのが栽培方法になります。放射線量が高いと言われる地域であっても、無農薬・無肥料の自然農法の野菜からは不検出ということはよくある話です。 まずは栽培方法、そして栽培地域という基準で選ぶと良いです。 自然と調和する方法が身土不二です。

 

 

オーガニックでいこう「一物全体」

一物全体(いちぶつぜんたい)とは、簡単に言えば丸ごと食べよう、皮も種も食べようという考え方。英語で言うホールフードの考え方と共通します。

皮や種には栄養がたくさん詰まっていますが、現代の一般的な調理法ではそうした部分は捨てることがほとんどです。その大きな理由は残留農薬による影響があるからです。

良くも悪くも、栄養も毒も、内臓に凝縮されていきます、そしてそれを排出しようとして皮に現れます。毒素となるものがあれば痒みや皮膚炎などとして、栄養であれば肌ツヤは若返っていきます。

人間と同じことが野菜でも起きています。残留農薬は皮や種に溜まります。そして農薬から身を守るために野菜は自らの皮を厚くしようとするので、皮は食べづらかったり、美味しさに欠けます。

一方、オーガニック、無農薬の物なら皮も種も食べられます。皮も食べるということは、皮むきをしなくていいということ。それだけでも料理の手間は少なく済みます。時間も野菜も無駄にするのはもったいない、オーガニックなら無駄なしです。マクロビオティックでは、通常は食べづらかったりする部位でも食べられるようにする調理法が伝えられています。

スーパーや八百屋さんで比較していただきたいのですが、例えば慣行栽培(一般的な栽培方法で化学農薬・化学肥料を使った栽培)の人参は、葉っぱが出ている頭の周りが凹んだ様になっていて、肩が上がったように見えます。一方、無農薬栽培の人参はなで肩でリラックスしている様に見えます。
人間は緊張したり何かから身を守ろうとすると、肩が上がります。これは自然なことで、野菜でも同じなのではないでしょうか。

一物全体を実践するということは即ち、無農薬栽培や有機農法や自然農法を応援することに繋がります。一物全体によって生ゴミも減るので環境にも優しいのもGOOD!

 

 

シンプルに捉えれば便利な「陰陽調和」

陰陽調和(いんようちょうわ)とは、簡単に言えば陰と陽の中間である中庸(ちゅうよう)な状態に近づけようという考え方。陰陽のエネルギーを二次元に表した太極図の通り、宇宙の万物は陰と陽の性質を持っており、そのバランスで成り立っています。

そのバランスは生活習慣とりわけ食事の内容と質によって大きく左右されます。どちらか一方に傾き過ぎた時に、人はバランスを崩して、病気になったり、怒りやすくなったり、情緒不安定になったりと様々な問題が引き起こります。

陰と陽のどちらが良い/悪いという事ではなく、あくまでバランスです。生まれ持った性質や男女でも陰陽のバランスは違います。人によって、陰性寄りな人、陽性寄りな人がいます。時や場所が違えばその性質も変わります。みんな違って当たり前ですので、それぞれの陰陽や中庸の位置とバランスの取り方があります。

ヤジロベエをイメージしていただけると分かりやすいかもしれません。どちらに傾きすぎてもバランスを崩して倒れてしまいます。そしてヤジロベエの形が違ければ、そのバランスの取り方も違います。目安はあっても絶対的なものはありません。

 

 

自然は中庸を目指す

自然界は当たり前に陰陽のバランスを取ろうとしています。例えば陽性のエネルギーである夏には、陰性の働きを持つ夏野菜を食べることで体を冷やしています。 南国ではフルーツが多く実るのも同じことです。フルーツには体を冷やす効果があり陰性の働きをします。一方、冬(陰性)には根菜(陽性)などを取って体を温めようとします。 陽性の土地や季節には陰性の作物が、陰性の土地や季節には陽性の作物ができます。

陰陽を知ることだけでも生活に役立ちます。今の自分がどちらに傾いているかが分かれば、何を食べたらバランスが取れるのかを、大まかですが把握することができます。体調を崩した時も陰陽の原因と結果(症状)があるので、それによって対処法も変わっていきます。

理解できると便利な陰陽論が「マクロビオティック=難しい」と思われる所以でもあり、多くの誤解を生んでいることもまた事実。単純な二元的な陰陽だけでは全てをとことは不可能ですし、陰陽五行説、八卦、六十四卦、四柱推命、易学などとその知識は奥深く続いていきます。 陰陽は難しく考えず、また全てを陰陽だけで片付けるのではなく、あくまで目安や物差しとして捉えるとちょうどいいです。

 

 

マクロビオティック≠ベジタリアン

誤解されることもありますがマクロビオティックはベジタリアンの一部ではありません。マクロビオティックでは病気や怪我に対して、食材を用いて治療するお手当てという漢方の様な自然療法があります。お手当てでは、時には動物性の力も借りる場合があります。衰弱していれば瞬発力のある動物性の力で整えます。また、そもそもマクロビオティックでは動物性食品の使用を制限する決まりやルールはありません。マクロビオティックは宗教ではないので戒律もありません。マクロビオティックは元々とても柔軟で自由な考え方と実践法で、自由に生きるためのツールです。

 

 

バランスの大切さを説くマクロビオティック

マクロビオティックの基本は穀物菜食で、あくまでこれは私たち人間の多くの人に合ったバランスの取れる食生活なだけです。時代や場所、環境が異なれば、そのバランスの取り方も変わります。

極端な例を挙げれば、エスキモーの人たちは農業に適さない極寒の地に住んでいるため、狩猟によって肉の生食をすることが合ったバランスです。但し、現代のエスキモー系の多くは、欧米化した食事によって伝統的な食生活は乱れているため、今に合った別のバランスの取り方が必要になっていることでしょう。

体系化された当時のマクロビオティックをそのまま現代人が行うことも、バランスを崩すかもしれません。

真の健康を得るためには、今の自分に合ったバランスを知ることが重要です。そして、自分の事を自分で判断できるようになっていく事が求められます。

マクロビオティックの教えは、この判断力を養う方法を示してくれています。健康を得ることは幸せに生きるための手段や前提であって目的ではありません。最高判断力を身につけていくことで、人生という荒波を自由に上手く乗りこなすことができます。

私たちは常に自分たちの自然治癒力や感覚を磨き、私たち自身のバランス、お客様や社会のバランスを見ながら、生きたマクロビオティックを提供していくように心がけています。

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